2004年12月03日

プロ野球選手の年金制度などのお話

こんな記事を見つけました。

NPB:選手の年金制度、来年3月に廃止検討

記事によると…プロ野球の年金制度は1964年に導入された。選手や監督、コーチ、審判員が在籍10年以上で退職した場合、55歳以降、年間113万3000円〜142万円の6段階の金額に応じて終身支給される。だが、金利低下や受給資格者の増加で財源不足が深刻化。さらに、確定給付企業年金法により新制度移行が決まっている。…とのこと。

来年3月にイキナリ廃止という形をとる…というのはあまりにも急すぎるとは思いますが、もともとここ近年の長引く不況で運用益が思うように上がらず、球団・機構側の財政を圧迫していたようですし、それだけせっぱつまっていたのでしょうか。それにしても近鉄の時といい、もう少し早めから動けなかったモノなのかなとちょっと思っちゃいますけどね。ただ、この選手の年金も企業年金制度の再編で一般の企業年金と同じように考えなおす位置にあるのは確かなようですね。

余談ですが、企業年金制度の再編のお話を少し…。
企業年金制度、いわゆる退職金制度の見直しがここ数年の間に行われており、2年前に平成24年3月末にその年金システムのひとつである適格年金の廃止が決定しています。ちなみにプロ野球の年金もこの適格年金なのだそうです。一般的には、この廃止を受けて、適格年金に加入している企業がきちんとスムーズに他の年金制度に移行できるかということが課題のひとつと言われています。移行先として、いくつかの年金システムがあるのですが、それぞれ利回りの低下や変動があったり、企業サイドに運用難で債務になる可能性があったり、移行するにあたって税金の問題があったり…と簡単に切り替えるにも考える部分があるようで、中小企業でも後回しになってるところが結構ある…というような話を聞いたことがあります。じゃあ、この年金をやめればいいか…というと一般的にはそうもいかず、仮に移行しないで単に適格年金やめただけの場合、退職金制度を廃止してない以上、企業は退職金をどうにかして自腹でも払わないといけなくなるので、どっちみちリスクがあるわけです。今回の話は具体的にまだわからないのでなんともいえないのですが、この記事を見ている限りでは単に年金を廃止するのではなく、退職金制度そのものを廃止してしまうということなのでしょう。

ちなみに、ここで出てくる適格年金とは退職金を積み立てておくというシステムですが、これが実際問題かなりのくせもので、保険会社などが設計した適格年金契約のほとんどが予定利回りを5.5%で設計(ありえない!)しています。つまり、過去の契約から現在に至るまでずっと5.5%で運用されていると仮定すれば、積立不足はゼロ円となりますが(難しいですよね)、基本的に0-1%で現在は運用されていると思われます。…とするとこの不足額はどうなるか?…ということになってくるのですが、すでに積み立てされている年金から不足分を補充するのが現状のようで、つまり、どんどんつみたててもどんどんなくなるというタンス預金の方がましという形になってしまうわけです。そのため、表には出てなくても、多くの積立不足(過去勤務債務)を抱えている企業が結構いるのでは?とささやかれているようですね。もちろん、出来るだけ早く今から適格年金契約・退職金制度の見直し、負担の少ない制度への移行などを検討するように促されているのですがどこまで進んでいるのか実際問題はわかりません。ただ、ほっておいていてもずーっと5.5%の予想利回りと0-1%の実質利回りの狭間で不足金額がどんどんふくれあがってきますから、これから先、放って置いたがために首を絞めて、倒産してしまう企業も出てくるのではないか…と危惧されていることもあるとか。

余談がまた長くなりすぎましたが(いつものことですが、すみませんm(_ _)m)、このような形で再編の流れがあり、プロ野球選手の年金制度の見直しも当然の流れなのかもしれませんが、この際せっかくですので、このプロ野球の年金制度をちょっとのぞいてみることにしました。


選手(1軍、2軍とも対象)、監督と登録コーチも国民年金と、企業年金の一種「適格年金」に加入しているようです。システム的には掛け金を10年間払うと55歳から受給できることになっているようです。

選手生活を10年未満で引退する場合は退職一時金が支払われます。10年目以降は掛け金を1年余計に払うごとに給付額もアップ。15年目からは掛け金がなくなる代わりに、給付額は変わらずです。

ちなみに、選手の負担額は現役の期間に応じて違うようです。(年7万1000円から12万円)給付は現役10年で年113万3000円、15年以上だと年142万円だそうです。

6年間に一定日数以上、一軍登録された選手は、10年未満でも残りの掛け金を払えば受給資格が発生するシステムになっています。イチロー選手などは日本で9シーズンを過ごしてから大リーグに移ったので、残りの1年分を払えば適格退職年金を受け取れるようですね。

億単位で契約する選手にとってはなんとも少ない額になるのでしょうが、この利回りは公的年金よりもかなりいいですよね。年7-12万の負担って少ないような気がします。


実は大リーグとなるとこの額がかなり破格になるようです。

なんと一番驚いたのは、大リーグでは選手本人の負担はなく、すべて球団側が掛け金を払う仕組みになっているということ。つまり払わないのに、もらえちゃうの??…ちょっとびっくりですよね〜、このご時世に。1日でも選手登録されれば受給資格が生まれ、日本人選手も含めて年金を受け取れるシステムになっています。

最高10年まで、メジャー在籍期間が長いほど受給額もアップ。ただし、3Aなどマイナーリーグにいた期間はカウントされず、現役時代の「実力主義」が老後にまで影響することになります。日本では2軍でももらえちゃうところがラッキーでもあり甘い部分なのかも知れませんが…。

受け取りは45歳から(日本よりも10歳若いですね)。現役通算10年以上の場合は年13万5千ドル(なんと約1600万円)!健康保険と投資信託による上乗せ分も制度に含まれるそうです。

ただし、1年で引退すると金額は10分の1になるようですが。でも1年で引退しても45歳から160万もらえるってすごー。ため息ものですね(笑)。


このあたり日本人選手は大リーグがうらやましい!と思うかも知れませんが、年金制度自体が全く違うのでこれをそのまま日本に当てはめるのは難しいと思います。メジャーの年金というのは選手会の方で作って、運営しているものだそうですが、日本でやる年金というのは、機構が運営している年金になります。その分、ある意味では機構の従業員としての企業年金、そういう枠組みになるので、全く別物であるし、日本で選手会がやるといっても資金がそこまでまわせるか?ということになると今の球界のシステムそのものをまったく一旦崩して考えないとダメってことになるから難しいでしょうね。

いずれにしても廃止にします…はいそうですか…とはいかないと思いますから(当然)、本当に検討して決定したときにはまた一悶着がありそうですね。うーん、難しい問題ですが、後回しにしてもよくないのは事実でしょうからしっかり解決出来た上で、野球に選手が専念できる環境が整うといいなーと思ったりします。
posted by ともとも at 11:29| Comment(4) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ともともさん、こんばんはー。

いやーーー、感心しちゃいました(笑)。あ、年金のことではなく、ともともさんにです。私もこの記事はチラっと見たんですけど、あぁ難しい話…とか思って、流しちゃったんですよ〜(笑)。なのに、こんなにしっかりとした事が書けるともともさん、一体以前は何のお仕事をしてらしたんでしょうか(笑)?!

それにしてもメジャーの年金、すんごい金額でびっくりしちゃいました!すごいです!
日本のプロ野球ですが、やっぱり急に廃止となったら相当揉めるでしょうねぇ。またお金で揉めるのですね…現実問題として大事な事ですから仕方ないのですが、なんだか憂鬱ですよ。ほんとにいつも取り掛かるのが遅すぎますー。ドサクサに紛れて年金もやっちゃえ、みたいな感じがしますが選手も落ち着きませんね。
Posted by みろり at 2004年12月04日 01:36
>みろりさん

こんにちは〜。いえいえとんでもない!私の熱中オバカ度にあきれられることがあっても(笑)、感心なんてとんでもないっす。

私もある程度つかんで書いているだけなので間違ってるかもですし(汗)、しかも長文…。昨日はなんか書きたいモードになっていて(笑)、3つも張り切って書いたら夜に疲れて寝ちゃいました(笑)やっぱりおばかだわ〜(泣)。

私、いろんなことやってきてるんですが(汗)、どのお仕事もストレスもあったりしましたが、それなりに楽しんできたかな〜という感じです。一番おもしろかった仕事のひとつはぬいぐるみ関連でアメリカの雑誌のライターかなぁ?バイヤーも兼ねていたんですが結構どっぷりはまっていました(あ、全然経済もスポーツも関係なし…ですね(爆))。まだまだアマちゃんなので人生これから勉強しますぅ(笑)。←いくつやねん!

この問題はお金がからみまくりなので簡単にはいそーですかとは終わらないでしょうね。仕方ないことなのでしょうが、野球に集中できる環境って整うのはいつのことやら…きゃ〜。

メジャー…ただでさえ現役でごっつい年俸なのにすごすぎ!さすがアメリカは貧富の差が激しいっていうのも分かる気がします…。
Posted by ともとも at 2004年12月04日 17:48
ともともさん

おぉ!!やっぱりライターさんとかやられていたのですねーー!どおりで素人とは思えない文章(笑)だと思っていましたよ、納得でございます!

ところで年金問題って、考えて見れば私達の年金も心配ですよねぇ。ちゃんともらえるのかしらー?(笑)。やっぱりそういうのは当てにしないで、自分で細々と貯蓄してなくちゃダメですかね。
Posted by みろり at 2004年12月04日 20:59
>みろりさん

こんばんは〜。とーんでもないです。私が書いていたのは人形(ぬいぐるみ)の日本限定モノの発売と日本の歳時記日記みたいなものを書いてたので全然違うんですよ〜(しかもなおしバリバリだったし(爆))。このブログは熱々のとまらな〜い記事になっているのでライターとして書いたら多分おこられちゃう内容ですよね(笑)

年金問題、こっちのほうが切実ですよね〜。一番払っているのにもらえないゾーンに見事にはまりそうな気がします。(年齢的に…)細々きっちりためてないとダメだろうな〜と思いつつ、なんかできないかな〜とも思ったり。みろりさん、本でも書きますか(ウソ)←先日の盛り上がりから抜け切れてない人(爆)。
Posted by ともとも at 2004年12月05日 00:44
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